春と雑炊

23日、クリーニング店でセーター2枚を受け取る。前日から、春のようなあたたかさが続いていて、ニット帽をかぶってきたことを後悔する。

夫の体調が万全ではないので雑炊をつくってゆっくり食べる。最近は自分が体調を崩すことがなかったので忘れていたけれど、具合が悪い時は、いつもは意識することもないほど自然にできた「食べる」ことが急に重々しく億劫に感じていた。口に運び、咀嚼し、飲み込む、にそれぞれ分解して、ひとつひとつに時間をかけてなんとかクリアしていく。カーテンをあければ太陽の光や日常の些細な音まで暴力的に感じて、誰に対してかよくわからない懺悔をしながら溶けるようにして暗い部屋のなかで布団にもぐっていた。さいわい夫はそこまで悪化せず、しっかり寝たらすっかりよくなったけれど、体のバランスが保たれていることはいつだって奇跡的なことなんだと思う。

ちょうどいま読みはじめた「イルカ」(よしもとばなな)の冒頭が、主人公がインフルエンザにかかる場面だったので、それも重なって体調が悪い時の感覚を自分も体の記憶から取り出して味わいながら食べた。